職場で被災したら「帰らない」が正解?帰宅困難者にならないための備え
職場で災害にあったとき、多くの人が直面するのが「家に帰れない」という状況です。東京都をはじめ多くの自治体では、大規模地震の直後は「むやみに移動を開始しない」ことが呼びかけられています。徒歩で帰る「帰宅困難者」が道路にあふれると、救助や消火の妨げになるためです。
まず知っておきたい「3日間はとどまる」の考え方
大きな地震が起きたとき、自治体は次のように呼びかけています。
- 発災直後は、むやみに移動を開始しない
- 職場や学校などの安全な場所に、まずは留まる
- 一斉帰宅を避けることで、救助活動の妨げにならないようにする
「家族が心配だから、すぐ帰りたい」という気持ちはよく分かりますが、道路や鉄道が寸断された状態で移動すると、二次被害に遭うリスクが高まります。まずは職場での安全確保が優先です。
職場に備えておきたい物
会社によっては備蓄をしているところもありますが、個人でも最低限を用意しておくと安心です。デスクの引き出しや、ロッカーに入るくらいの量で十分です。
- 歩いて帰る事態に備えた歩きやすい靴(ヒールやサンダルで働いている人は特に)
- 水(500ミリリットルのペットボトル2〜3本)
- 簡単な食料(カロリーバー、飴など日持ちする物)
- 携帯トイレ1〜2個
- モバイルバッテリーと充電ケーブル
- マスク、ウェットティッシュ
- 上着や防寒具(季節に合わせて)
- 会社から自宅までの地図(スマホの充電が切れたときのための紙の地図)
携帯トイレの使い方は自宅と同じ考え方が使えます。オフィスビルのトイレも、断水や排水管の点検が終わるまで使えなくなることがあります。
徒歩で帰る判断をするとき
自治体の呼びかけが解除され、実際に帰宅を判断するときは、次の点を確認してください。
- 帰宅ルートの安全性(ブロック塀、ガラスの落下、火災の延焼など)
- 徒歩での移動距離(10キロメートルを超えると、体力的にかなりの負担になります)
- 途中で休憩・給水できる場所(コンビニ、学校などが「帰宅支援ステーション」になっていることがあります)
多くの都市では、コンビニやガソリンスタンドなどが「災害時帰宅支援ステーション」として、水道水やトイレ、道路情報の提供に協力する仕組みがあります。ステッカーやのぼりが目印です。
家族との連絡ルールを職場バージョンでも決めておく
安否確認の方法は、家にいるときと同じ考え方が使えます。
- 職場からの連絡手段(171、メッセージアプリ)を家族と共有しておく
- 「職場に留まる」という選択をしたことを、まず家族に伝える
- 子どものお迎えが必要な場合、代わりに誰が行けるかを事前に決めておく
通勤経路のハザードを事前に確認しておく
ハザードマップは自宅だけでなく、通勤・通学経路も確認しておくと安心です。特に次の場所は注意してください。
- 川沿いの道、アンダーパス(大雨のときに冠水しやすい)
- 古いブロック塀が続く区間
- 帰宅ルート上の避難場所(途中で危険を感じたときに逃げ込める場所)
会社に着いたら安心、ではなく、通勤中に被災する可能性も考えて、経路の安全性を一度歩いて確認してみることをおすすめします。