停電したらまず何をする?
冷蔵庫・スマホ・季節別の対処と備え

停電で守るべきものは「あかり・情報(スマホ)・冷蔵庫の中身」、そして夏冬は「体温」。この順番で、直後の行動から備えまでを解説します。

停電した夜の部屋でランタンとろうそくを灯しているイラスト

停電した直後にやること5つ(順番どおりに)

  1. 冷蔵庫の開閉をやめる

    いちばん最初に「開けない」と家族に宣言します。ドアを閉めたままなら冷蔵室は約2〜3時間、冷凍室は半日〜1日冷たさを保てます。

  2. 停電の範囲を確かめる

    まず自宅のブレーカーを確認。落ちていなければ外を見て、近所も消えていれば地域の停電です。電力会社の公式サイトやアプリで復旧見込みを確認できます(スマホの電池は温存しつつ)。

  3. あかりを確保する

    懐中電灯・LEDランタンを点けます。停電時でも場所がわかるよう、寝室と玄関に1本ずつ置いておくのが理想です。

  4. スマホを省電力モードにする

    画面を暗くし、使わないアプリを閉じ、モバイルバッテリーを手元に。スマホは「情報・連絡・あかり」を兼ねる命綱です。

  5. 使っていた電化製品のプラグを抜く

    特にアイロン・ドライヤー・電気ストーブなどの熱が出る家電は、復旧した瞬間に火災の原因になります(通電火災)。外へ避難するときはブレーカーごと落とします。

ろうそくは最終手段に

余震や強風のある状況でのろうそくは火災のもとです。あかりの基本はLEDランタンと懐中電灯。ろうそくを使う場合は倒れない燭台で、目を離さないでください。

冷蔵庫の中身を守る:停電前にできる工夫が9割

停電時に冷蔵庫がどれだけ「もつ」かは、実は停電が起きる前の使い方でほぼ決まります。ポイントは冷蔵室と冷凍室で正反対です。

停電に強い冷蔵庫の使い方の図解。冷蔵室は7割収納、冷凍室はすき間なく詰める
冷蔵室は「すき間」が命、冷凍室は「満杯」が命。覚え方は「上はゆったり、下はぎっしり」。

復旧後のチェック

停電が数時間を超えた場合、肉・魚・乳製品などは見た目やにおいを確認し、少しでも不安があれば処分を。冷凍食品は「一度溶けて再凍結した物」は品質・安全性が落ちるため注意してください。

スマホの電池を長持ちさせる設定

災害時のスマホは、情報収集・安否連絡・ライト・地図のすべてを担います。次の設定で消費を大きく減らせます。

備えとしては、スマホを2〜3回充電できるモバイルバッテリー(10,000〜20,000mAh)を家族分。加えて乾電池式の充電器か手回し充電ラジオがあると、長期停電でも詰みません。車がある家庭はシガーソケット充電器も用意しておくと安心です。

夏の停電:熱中症から身を守る

夏の停電はエアコンと扇風機が同時に止まるため、熱中症のリスクが一気に上がります。特に高齢者と小さな子どもは要注意です。

冬の停電:体温を守る

一酸化炭素中毒に注意

カセットコンロや石油ストーブを閉め切った部屋で使い続けない、発電機は絶対に屋内で使わない。この2つは毎年事故が起きています。換気は「寒くても定期的に」が鉄則です。

ふだんの備え:停電対策の買い物リスト

在宅医療機器(人工呼吸器・在宅酸素など)を使っている家族がいる場合は、停電時の対応を事前にかかりつけ医と電力会社に相談しておいてください。多くの電力会社には事前登録制度があります。

ポータブル電源・モバイルバッテリーの選び方

停電対策の電源は、目的に合わせて2段階で考えるとムダがありません。

停電用電源の2段階
種類目安の容量できることこんな家庭に
モバイルバッテリー10,000〜20,000mAhスマホ2〜5回の充電。ライト・小型扇風機も全家庭の必需品。1人1台が理想
ポータブル電源500〜1,000Whスマホ数十回、扇風機・電気毛布を数時間〜、小型冷蔵庫も短時間医療機器を使う人・乳児・在宅避難重視の家庭

ポータブル電源を選ぶときは、容量(Wh)だけでなく「定格出力(W)」が使いたい家電の消費電力を上回っているかを確認してください。電気毛布は約50W、扇風機は約30W、電気ケトルは1,000W超。ケトルや電子レンジまで動かすには大型機が必要で価格も跳ね上がるため、「湯沸かしはカセットコンロ、電源は情報と体温調節に使う」と割り切るのが費用対効果の高い考え方です。

発電機(エンジン式)は屋内使用厳禁

ガソリン式・カセットボンベ式の発電機は便利ですが、排気ガスに一酸化炭素が含まれるため室内・車庫・ベランダでの使用は絶対にいけません。使用は必ず屋外の風通しのよい場所で。屋内で使える「電源」はバッテリー(蓄電池)タイプだけです。

停電が長引くときの判断:とどまるか、移動するか

停電の多くは数時間〜1日で復旧しますが、台風や地震では数日〜1週間に及ぶことがあります。長期化しそうなときの判断材料を持っておきましょう。

「うちだけ停電」のときはブレーカーと契約を確認

近所は電気がついているのに自宅だけ停電している場合は、地域の停電ではなく、自宅のブレーカー落ち・漏電・アンペア超過の可能性があります。分電盤を確認し、漏電ブレーカーが落ちていて原因がわからないときは、無理に戻さず電力会社・電気工事店に相談してください。

停電のQ&A

Q. 停電中、冷凍庫の食品はいつまで大丈夫?

A. 開け閉めしなければ、目安として半日〜1日は冷凍状態が保たれます。保冷剤や凍らせたペットボトルが多いほど長持ちします。再凍結した形跡がある食品(霜が固まっている・形が崩れている)は品質が落ちているので、解凍後は加熱してその日のうちに食べ切りましょう。

Q. 信号も消えるほどの停電。車で出かけてもいい?

A. 信号が消えた交差点は事故が多発します。不要不急の運転は控えるのが原則です。どうしても運転する場合は、交差点では必ず一時停止し、警察官の手信号に従ってください。

Q. オール電化の家は停電に弱い?

A. 調理・給湯・暖房のすべてが止まるため、影響は大きくなります。その分、カセットコンロ+ボンベ多め(1週間で1人6本目安)と、電気を使わない暖房(カセットガスストーブ等)の優先度を上げてください。エコキュートのタンク内の水は生活用水として使えることも覚えておくと安心です(飲用は避け、取扱説明書に従ってください)。

Q. 停電時、固定電話は使える?

A. 光回線の電話(ひかり電話)は停電すると使えません。モバイル回線も基地局の非常用電源が切れると数時間〜で圏外になることがあります。安否確認ガイドで紹介している公衆電話・171の使い方を家族で共有しておきましょう。

Q. マンションの停電は何が違う?

A. エレベーター停止と断水(ポンプ停止)が同時に起きるのが最大の違いです。マンション防災ガイドで詳しく解説しています。