一人暮らしの防災、最低限これだけ|狭い部屋でもできる備えと連絡の決めごと
一人暮らしの防災は、家族で住んでいる場合とは事情が違います。置き場所が限られ、災害のときに助け合える人がそばにおらず、体調を崩しても誰も気づいてくれません。
その代わり、必要な量は少なく、決めごとも自分ひとりで完結します。ポイントを絞れば、週末の数時間で「最低限」は整います。
一人暮らし特有の3つのリスク
- 誰も助けに来ない。倒れた家具の下敷きになっても、気づかれるまで時間がかかります
- 情報が入りにくい。家族の会話から流れてくる情報がないぶん、自分で取りに行く必要があります
- 置き場所がない。ワンルームでは「1か所にまとめる」ことすら難しいことがあります
この3つに、順番に手を打っていきます。
まず家具の固定。備蓄より先です
一人暮らしでいちばん怖いのは、寝ている間に家具が倒れてくることです。助けを呼べない状況で体を挟まれると、命に関わります。
- ベッドや布団の周りに、背の高い家具を置かない。これが最優先です
- どうしても置くなら、倒れる向きが寝床と反対になるよう配置を変える
- 賃貸で壁に穴を開けられない場合は、突っ張り棒(天井側)と、ストッパーや粘着マット(床側)の上下セットで固定する
- テレビと電子レンジは粘着マットで留める。飛んでくると凶器になります
くわしいやり方は地震への備えにまとめました。壁を傷つけずに固定する方法も紹介しています。
狭い部屋の備蓄は「分散」で解決する
ワンルームでも、置き場所は意外と見つかります。
- ベッドの下。2リットルの水のケースがちょうど収まります
- クローゼットの床の手前側。携帯トイレやランタンを
- 玄関のたたきや靴箱の一角。持ち出し袋を
- キッチンの棚。ふだん食べるレトルトや缶詰を少し多めに
一人暮らしなら、3日分の水は2リットルペットボトル5本(およそ1ケース)で足ります。1週間分でも11本、2ケース弱です。「思ったより少ない」と感じた方が多いのではないでしょうか。
食料も、非常食を買いそろえる必要はありません。ふだん食べているカップ麺やレトルト、缶詰を少し多めに買って、食べたら足すだけ。このローリングストックなら、収納にも気持ちにも無理がありません。
トイレの備えは一人暮らしこそ効く
意外に思われますが、一人暮らしでも携帯トイレは必需品です。マンションでは地震のあと、排水管の点検が終わるまで水を流せません。近くのコンビニもトイレを閉めます。
必要なのは1人1日5回で7日分、35回分。箱ひとつぶんで、クローゼットの隅に収まります。数千円で、断水中のいちばんつらい問題が消えます。
「無事です」を伝える先を決めておく
一人暮らしで大事なのが、安否を伝える相手と手段を先に決めておくことです。
- 実家の家族とグループのやりとりを作り、災害時は「無事」の一言だけ送るルールにする
- 電話はつながらない前提で、文字(メッセージ)で連絡する
- 災害用伝言ダイヤル171を、毎月1日か15日の体験利用で一度試しておく
- 職場や学校の安否確認の仕組みを確認しておく
逆に「連絡がなくても、つながらないだけで無事」と家族と約束しておくと、お互いの不安が減ります。
自宅以外の「もうひとつの居場所」を持つ
一人暮らしだからこそ、逃げ先の選択肢を複数持っておくと安心です。
- 自宅が危険なときの避難先をハザードマップで確認しておく
- 近くに住む友人や、実家が近ければその家を「第二の避難先」として話しておく
- 職場に、歩いて帰れないときの備え(スニーカー、水、モバイルバッテリー)を置いておく
これから一人暮らしを始める方、部屋選びから考えたい方は、姉妹サイトの初めての一人暮らしガイドもあわせてどうぞ。
一人暮らしの防災は、量より「抜けをなくすこと」。家具の固定、水、トイレ、連絡先。この4つがそろえば、もう十分に備えている側の人です。