コラム

防災グッズはどこに置く?取り出せる場所が9割【分散収納のコツ】

せっかく防災グッズをそろえても、置き場所を間違えると、いざというときに使えません。実際の災害では「押し入れの奥にしまっていて、家具が倒れて取り出せなかった」という失敗がよく起きます。

防災の収納には、ふだんの片づけとは違う考え方が必要です。

1か所にまとめてはいけない

多くの人がやってしまうのが「防災用品を1つの押し入れにまとめる」こと。整理としては正しいのですが、防災としては危険です。

  • その部屋が地震で散乱すると、全部まとめて使えなくなる
  • 火災や浸水で、一度に全部を失う
  • 玄関から遠いと、避難のときに取りに戻れない

対策はシンプルで、役割ごとに置き場所を分ける「分散収納」です。

場所別・ここに置くのが正解

玄関には、すぐ持って出る物を置きます。

  • 非常用持ち出し袋。靴箱の一角か、扉のそばの床に
  • スニーカー、ヘルメットや防災ずきん
  • 懐中電灯。停電した瞬間に手が届く位置に

寝室には、夜の地震に備える物を置きます。

  • スリッパか厚底の靴。ガラスの上を歩くために枕元へ
  • 懐中電灯とホイッスル
  • 眼鏡、常用薬、スマホの充電ケーブル

夜中に被災すると、真っ暗ななかでガラスの破片を踏むことになります。枕元のこの3点だけで、けがのリスクが大きく変わります。

キッチンには、在宅避難を支える物を置きます。

  • ローリングストックの食品と水。ふだん使う場所に置くから続きます
  • カセットコンロとボンベ
  • ポリ袋、ラップ、紙皿

廊下や納戸には、量のある備蓄をまとめます。

  • 長期保存水、携帯トイレの箱、トイレットペーパーの予備
  • 季節用品(カイロ、冷却シート)

車があれば、強い味方になります。

  • 水、簡易トイレ、毛布、軍手、脱出用ハンマー
  • ただし夏の車内は高温になります。食品、カセットボンベ、モバイルバッテリーは車に置かないでください。くわしくは夏と冬の災害対策

職場やロッカーには、帰宅困難への備えを。

  • スニーカー、水、モバイルバッテリー、携帯トイレを1つ

狭い家・賃貸の収納アイデア

「置き場所がない」という方は、次の場所を見直してみてください。

  • ベッドの下。2リットルの水のケースがぴったり入ります
  • クローゼットの床の手前側。奥は取り出せないので、手前が鉄則です
  • 洗面台やシンクの下(水漏れの心配がない物だけ)
  • テレビ台や本棚の最下段
  • 廊下の突き当たりに、ふた付きの収納ボックスを1つ

水と食料と携帯トイレをすべて合わせても、2人分ならおおよそ畳半分ほどのスペースに収まります。

「本当に取り出せるか」を試してみる

置き場所を決めたら、最後に必ずこれをやってください。

  • 部屋の電気を消して、暗いなかで懐中電灯を取り出せるか
  • 持ち出し袋を背負って、玄関から外まで出られるか
  • 家具が倒れたと仮定して、その収納の扉が開くか

倒れる可能性のある家具の前や、開き戸の中に大事な物をしまっていないか。この視点で見直すと、置き場所の弱点が見えてきます。

家族全員が場所を知っていること

最後にもうひとつ。防災用品の場所を知っているのが1人だけでは、その人が家にいないときに機能しません。

  • どこに何があるかを紙に書いて、冷蔵庫に貼っておく
  • 年に2回、持ち出し袋の点検のついでに家族で場所を確認する

置き場所の正解は「家族全員が、暗いなかでもたどり着ける場所」です。今日、家のなかを一周してみてください。