コラム

熱中症警戒アラートを防災に使う|クーリングシェルターの調べ方

猛暑が続く夏、「熱中症警戒アラート」という言葉を毎日のように聞くようになりました。しかし、出たときに具体的に何をすればよいのかまで決めている家庭は、意外と少ないのではないでしょうか。

この記事では、アラートを「聞き流す情報」から「行動を決める材料」に変える方法を紹介します。

気温ではなく「暑さ指数」で判断する

天気予報の気温だけでは、熱中症の危険度は正確に分かりません。日差しの強さと湿度が大きく影響するためです。

そこで使われるのが暑さ指数(WBGT)という数値です。おおまかな目安はこうなります。

  • 28以上:厳重警戒。激しい運動は避ける
  • 31以上:危険。運動は原則中止、外出をできるだけ控える
  • 33以上と予測されたとき:熱中症警戒情報(アラート)が発表される水準
  • 35以上と予測されたとき:熱中症特別警戒情報。過去に例のない危険な暑さ

暑さ指数は環境省の熱中症予防情報サイトで、地域ごとに確認できます。

アラートは「前日の夕方」に出ます

熱中症警戒情報は、前日の夕方と当日の朝に発表されます。ここが重要です。前日に分かるということは、翌日の予定を組み替えられるということです。

  • 屋外の作業や運動を、早朝か夕方に移す
  • 買い物や通院の予定を別の日にする
  • 子どもの外遊びの時間を短くする
  • 離れて暮らす高齢の親に電話をして、エアコンを使っているか確認する

「暑いから気をつけよう」ではなく、具体的に予定を変えること。これがアラートの正しい使い方です。

クーリングシェルターを調べておく

熱中症特別警戒情報が発表されると、市町村が指定した冷房のある施設が開放されます。これを指定暑熱避難施設、通称クーリングシェルターと呼びます。

公民館、図書館、ショッピングセンターなどが指定されていることが多く、誰でも涼みに立ち寄れます。

「(お住まいの市区町村名) クーリングシェルター」で検索して、近所のどこが対象かを一度確認しておいてください。これは特別警戒情報のときだけでなく、こんな場面でも役に立ちます。

  • エアコンが故障して、修理まで数日かかるとき
  • 停電でエアコンが止まったとき
  • 電気代が心配で、自宅の冷房を控えたいとき

停電と猛暑が重なったときが本番

台風や落雷による停電は、真夏に集中します。つまり、エアコンが止まる事態はいつ起きてもおかしくありません。

閉め切った室内は、停電後の数時間で35度を超えることがあります。特に高齢者・乳幼児・持病のある方にとって、夏の停電は災害そのものです。

  • 窓を2か所開けて風の通り道をつくる
  • すだれやカーテンで直射日光を遮る
  • 濡らしたタオルで首・わきの下・足の付け根を冷やす
  • 凍らせたペットボトルを常備しておく(溶ければ飲み水になります)
  • 電池式の扇風機とモバイルバッテリーを用意する

それでも室温が下がらないなら、家にとどまらないでください。冷房のある公共施設や商業施設へ移動することは、立派な災害対応です。

いちばん危ないのは自宅です

意外に思われるかもしれませんが、熱中症で救急搬送された人の発生場所としてもっとも多いのは、屋外ではなく住居で、およそ4割を占めます。

とくに高齢の方は、暑さとのどの渇きの両方を感じにくくなります。本人に自覚がないため、「暑くない」「のどは渇いていない」という言葉をあてにできません。判断は室温計に任せてください。

そして、エアコンを持っているのに使わずに熱中症になる例が、毎年繰り返し報告されています。離れて暮らす親御さんには、「電気代は気にしなくていい」と、はっきり言葉で伝えてあげてください。

くわしい対策は猛暑・熱中症への備え、停電時の具体策は停電への備えと夏と冬の災害対策にまとめています。