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介護が近づいているサインに気づく

介護は、ある日突然始まるとは限りません。多くの場合、その前に小さなサインが出ています。帰省したときや電話のときに、次のような変化がないか意識して見てみてください。

体のサイン

暮らしのサイン

2つ以上当てはまったら「準備開始」のサイン

当てはまる項目があっても、すぐに介護が必要という意味ではありません。ただし「相談先を調べ、書類を整理し、家族で話し始める」タイミングとしては十分です。早く始めるほど、選べる選択肢が増えます。

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最初の準備は「様子のメモ」から

介護の入口で一番役に立つのは、専門知識ではなくふだんの様子の記録です。相談窓口でも、あとで説明する認定調査でも、「いつから・何が・どのくらい困っているか」を聞かれます。スマホのメモで十分なので、次の4点を書きためておきましょう。

  1. 困りごとの具体例

    「最近弱ってきた」ではなく「2月ごろから、2階への階段を嫌がるようになった」「薬の飲み忘れが週2〜3回ある」のように、時期と頻度をセットで書きます。

  2. 医療情報

    かかりつけ医の病院名、持病、飲んでいる薬(お薬手帳の写真でOK)。入院時にもそのまま使えます。

  3. 生活パターン

    買い物・料理・掃除・入浴・ゴミ出しを「自分でできる/手伝いが必要/できない」の3段階でメモします。

  4. 本人の気持ち

    「家に居たい」「デイサービスは嫌だ」など、本人の発言をそのまま記録します。あとでケアプランを考えるときの軸になります。

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地域包括支援センターに相談する

地域包括支援センターは、高齢者の暮らし全般を支える公的な総合相談窓口です。保健師・社会福祉士・主任ケアマネジャーといった専門職が在籍し、相談は無料。介護保険をまだ使わない段階の「ちょっと心配」でも相談できます。

全国の中学校区ごとを目安に設置されており、親が住んでいる地域のセンターが担当です。市区町村の公式サイトで「市区町村名+地域包括支援センター」と検索すると一覧が出てきます。電話相談も可能なので、遠方に住んでいる子どもからの相談にも対応してくれます。

相談できることの例

地域包括支援センターの窓口で相談員に介護の相談をする親子
迷ったら「親のことで心配なことがある」の一言で相談は始められます

電話で伝えるのはこの3つだけでいい

①親の名前・年齢・住所(センターの担当地域確認のため) ②最近の様子で心配なこと(メモを見ながら) ③「何から始めればいいか教えてほしい」。この3つで、あとは向こうがリードしてくれます。

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要介護認定の申請と流れ

介護保険のサービス(ヘルパー・デイサービス・手すりのレンタルなど)を1〜3割の自己負担で使うには、要介護認定を受ける必要があります。申請は市区町村の窓口で行い、費用は無料。地域包括支援センターに申請を代行してもらうこともできます。

要介護認定の申請から調査、判定、ケアプラン作成、サービス利用開始までの5ステップの流れ図
申請から結果通知までは原則30日以内。結果を待つ間も暫定的にサービスを使える場合があります

認定区分は7段階

区分状態の目安使える主なサービス
要支援1・2日常生活はおおむね自立。一部に支援が必要介護予防サービス(運動教室、生活支援など)
要介護1・2歩行や身の回りのことに部分的な介助が必要訪問介護、デイサービス、福祉用具レンタルなど
要介護3〜5日常生活の多く〜ほぼ全てに介助が必要在宅サービスの組み合わせ、特別養護老人ホームへの入所(原則要介護3以上)など

「非該当」でも終わりではない

認定で非該当(自立)になっても、市区町村独自の介護予防事業や配食・見守りサービスを使える場合があります。地域包括支援センターに「他に使える支援はありますか」と聞いてみてください。

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認定調査で失敗しないコツ

申請すると、調査員が自宅を訪問して本人の心身の状態を確認します(認定調査)。ここでよくある失敗が、本人が急に張り切って「全部できます」と答えてしまうことです。実際より軽く判定されると、必要なサービスが使えなくなります。

主治医意見書のためにかかりつけ医を持っておく

認定には主治医の意見書が必要です。かかりつけ医がいない場合は指定医の受診が必要になり時間がかかります。元気なうちから、かかりつけ医を決めておくことも立派な介護準備です。

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サービス利用開始までにやること

  1. ケアマネジャーを決める

    要介護1以上なら居宅介護支援事業所のケアマネジャーと契約し、ケアプランを作ってもらいます(作成費用は全額介護保険負担)。要支援は地域包括支援センターが担当します。人柄や相性も大事なので、合わなければ変更もできます。

  2. 希望と予算を家族で共有する

    「本人は家に居たい」「家族は週何日手伝えるか」「月にいくらまで出せるか」。この3点を先に共有しておくと、ケアプランの相談がスムーズです。→ 費用の目安は介護のお金と施設へ。

  3. 小さく始めて調整する

    最初から完璧なプランを目指す必要はありません。デイサービス週1回から始めて、様子を見ながら増やしていくのが現実的です。プランは途中で何度でも見直せます。

  4. 仕事との両立の制度を確認する

    介護休業(通算93日・3回まで分割可)や介護休暇(年5日、対象家族2人以上なら10日)は、「自分で介護するため」ではなく両立の体制を整えるための制度です。介護離職は収入と選択肢を一気に減らします。辞める前に、勤務先の制度と地域のサービスを必ず確認してください。

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よくある質問

親が遠方に住んでいます。子どもの住所地で相談できますか?

相談・申請の窓口は「親が住んでいる市区町村」です。ただし電話相談は可能ですし、要介護認定の申請も帰省時にまとめて行えます。遠距離の場合は、見守りサービスや配食サービスの安否確認を組み合わせるのが定番です。詳しくは相談先ガイドもご覧ください。

本人が「介護なんて必要ない」と拒否します。

よくあることなので、正面から説得しないのがコツです。「介護」という言葉を使わず、「腰の負担を減らす道具を借りられるらしい」「無料の体操教室があるらしい」など、本人のメリットから入ります。切り出し方の具体例は親との話し方で詳しく解説しています。

入院をきっかけに介護が始まりそうです。何から手をつければ?

退院前に病院の「医療相談室(地域連携室)」に相談してください。退院後の生活に合わせて、入院中に要介護認定の申請を進めるのが鉄則です。退院日が決まってから慌てると、サービスなしの空白期間ができてしまいます。

認定結果に納得できない場合は?

まず市区町村の窓口かケアマネジャーに相談してください。状態が変わった場合は「区分変更申請」をいつでも出せます。不服申立ての制度もありますが、実務的には区分変更申請のほうが早いケースが多いです。