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緊急入院に備える ― 持ち物と連絡

高齢の親の「もしも」で、実際に最も多く起きるのは死ではなく緊急入院です。ここで慌てないことが、もしも準備の第一関門です。

入院セット(あらかじめ1つの袋にまとめておく)

高額療養費制度と限度額適用認定証

入院費が高額になりそうなら、「限度額適用認定証」(マイナ保険証なら手続き不要の場合あり)を使うと、窓口での支払いが自己負担限度額までで済みます。病院の会計窓口か加入する健康保険に確認してください。医療費の心配で治療をためらう必要はありません。

02

危篤・臨終のとき

  1. 会わせたい人に連絡する

    危篤の連絡は「会わせたい人」だけで構いません。深夜でも失礼にはあたりません。誰に知らせるかは、エンディングノートの連絡先リストが最大の助けになります。

  2. 病院で亡くなった場合 ― 死亡診断書を受け取る

    医師が死亡診断書を発行します。以後のあらゆる手続きの起点になる書類なので、コピーを5〜10枚取っておくと後が楽です(保険請求などで必要になります)。

  3. 自宅で亡くなった場合 ― かかりつけ医または119番

    かかりつけ医がいる場合はまず医師に連絡。診療中の病気で亡くなったと判断されれば死亡診断書が出ます。かかりつけ医がいない・突然死の場合は警察の検視が入ることがありますが、これは通常の手続きです。慌てずに。

  4. 安置先と葬儀社を決める

    病院からは数時間で搬送を求められるのが一般的です。ここで焦って高額な契約をしないために、生前の葬儀社の目星(次章)が効いてきます。搬送だけ先に頼み、葬儀の契約は落ち着いてからでも構いません。

03

葬儀の決め方と費用

葬儀の後悔は「高すぎた」「呼ぶべき人を呼べなかった」の2つに集約されます。どちらも、生前に形式と規模の希望を聞いておくだけでほぼ防げます。

形式内容費用の目安
一般葬通夜・告別式を行い、親族以外も参列100万〜200万円前後
家族葬通夜・告別式を近親者のみで40万〜120万円前後
一日葬通夜を省略し告別式のみ30万〜90万円前後
直葬(火葬式)式を行わず火葬のみ10万〜40万円前後
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お墓・供養の選択肢

「墓を継ぐ人がいない」は、いまや標準的な悩みです。選択肢は増えており、費用も形もさまざまです。

供養の形特徴費用の目安
代々のお墓(承継墓)家族で継いでいく従来型。年間管理料と承継者が必要建立100万〜300万円+管理料
永代供養墓(合祀)寺院・霊園が供養を引き受ける。承継者不要5万〜30万円
永代供養墓(個別・集合)一定期間は個別に安置し、その後合祀が一般的10万〜150万円
樹木葬樹木や花の下に埋葬。自然志向で人気20万〜80万円前後
納骨堂屋内型。駅近など立地が良く天候に左右されない20万〜150万円前後
海洋散骨・手元供養散骨や自宅での供養。規制やマナーの確認が必要数万〜30万円前後

すでにあるお墓の「墓じまい」は関係者への相談が先

改葬(墓じまい)には、菩提寺・墓地管理者との調整と行政手続き(改葬許可)が必要です。費用は撤去工事と新しい納骨先を合わせて数十万円規模になることも。親のきょうだいなど関係者が多いほど、早めの相談が円満の鍵です。

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死後の手続き ― 期限タイムライン

死後の手続きは100種類近くありますが、期限があるものから順に押さえれば混乱しません。主要な期限をタイムラインにしました。

死亡届7日以内、年金停止10日から14日、相続放棄3ヶ月、準確定申告4ヶ月、相続税10ヶ月、相続登記3年という死後の手続き期限のタイムライン図
迷ったら「7日・14日・3ヶ月・10ヶ月・3年」の5つの節目だけ覚えてください

期限別・主な手続き一覧

期限手続き窓口
7日以内死亡届・火葬(埋葬)許可申請 ※葬儀社が代行することが多い市区町村
10日以内厚生年金の受給停止(年金受給権者死亡届)年金事務所
14日以内国民年金の受給停止、健康保険・介護保険の資格喪失、世帯主変更市区町村・年金事務所
すみやかに公共料金・電話・サブスクの名義変更や解約、金融機関への連絡(口座は凍結される)、生命保険の請求(時効は一般に3年)各社・各金融機関
3ヶ月以内相続放棄・限定承認(借金がある場合は特に重要)家庭裁判所
4ヶ月以内準確定申告(故人に事業・不動産収入などがあった場合)税務署
10ヶ月以内相続税の申告・納付(基礎控除=3,000万円+600万円×法定相続人の数を超える場合)税務署
3年以内相続登記(不動産の名義変更・2024年4月から義務化)法務局

手続きの相棒は「死亡診断書のコピー」と「戸籍一式」

多くの手続きで戸籍謄本(出生から死亡まで)が必要になります。「法定相続情報一覧図」を法務局で作っておくと(無料)、戸籍の束の代わりに1枚で各手続きが進められて大幅な時短になります。詳しくは遺言と相続へ。

06

生前にできる「もしも準備」チェック

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よくある質問

親の口座から葬儀費用を下ろしてもいい?

死亡が銀行に伝わると口座は凍結されます。凍結後でも「預貯金の仮払い制度」により、一定額(1金融機関あたり上限150万円・法定相続分の1/3まで)は単独で払い戻しを受けられます。ただし、死亡直前・直後の無断の引き出しは相続人間のトラブルの元。使途の記録と領収書を必ず残し、できれば他の相続人に一言伝えてから行ってください。

葬儀のお金が用意できるか不安です。

①形式の選択(家族葬・一日葬・直葬)で総額は大きく変わります。②健康保険から葬祭費・埋葬料が支給されます。③生命保険は受取人固有の財産なので、凍結の影響を受けず比較的早く受け取れます。④自治体によっては低額の「市民葬・区民葬」の制度もあります。

手続きが多すぎて自分でできる気がしません。

役所関係は市区町村の「おくやみコーナー」(設置自治体が増えています)でまとめて案内してもらえます。相続関係は司法書士・行政書士・税理士に部分的に依頼できます。全部を自分でやる必要はありません。依頼の目安は相談先ガイドにまとめています。