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見逃しやすい認知症の初期サイン

認知症は、ある日突然始まるものではありません。多くの場合、その前に小さな変化が積み重なっています。特に離れて暮らしていると、帰省のたびの「あれ?」が最初の気づきになります。次のようなサインが増えていないか、見てみてください。

暮らしのサイン

会話・お金のサイン

「もの忘れ」より「段取りの低下」に注目

人の名前が出てこないのは加齢でもよくあります。より注意したいのは、料理・買い物・お金の管理といった「段取りが必要なこと」がうまくいかなくなる変化です。生活の中の小さな失敗の積み重ねが、受診を考えるサインになります。

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「歳のせい」との違い ― 受診の目安

加齢による物忘れと、認知症による物忘れには、傾向の違いがあります。あくまで目安ですが、判断の参考にしてください。

加齢によるもの忘れ認知症が疑われるもの忘れ
体験の記憶一部を忘れる(昨日の夕食のメニュー)体験そのものを忘れる(食べたこと自体)
自覚忘れっぽさを自覚している忘れた自覚が薄い・取りつくろう
日常生活大きな支障はない買い物・料理・お金の管理に支障が出る
進行あまり進まない少しずつ進んでいく

迷ったら、まず地域包括支援センターかかかりつけ医へ

認知症以外の病気(脱水・甲状腺の不調・薬の影響など)が原因のこともあり、その場合は治療で改善します。早めの受診は「早く見つけて損はない」もの。物忘れ外来や認知症疾患医療センターにつないでもらえます。→ 相談先ガイド

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受診をどう切り出すか

「認知症の検査に行こう」と正面から言うと、多くの人は身構え、拒否します。本人の自尊心を守りながら、自然に受診につなげる言い方を用意しておきましょう。

× 身構えさせる言い方○ 通りやすい言い方
「認知症かもしれないから病院へ」「私の健康診断のついでに、一緒に診てもらわない?」
「最近おかしいよ、検査して」「最近ちょっと疲れやすくない? 血液検査してもらうと安心だよ」
「もの忘れがひどい」「薬の飲み合わせを先生に一度みてもらおう」

かかりつけ医を「入口」にする

いきなり専門外来は、本人のハードルが高いもの。まずは普段通っているかかりつけ医に、家族から事前に様子を伝えておき、健康チェックの流れで診てもらうのがスムーズです。子だけで先に電話やメモで状況を共有しておくと、当日の診察が的確になります。

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やってはいけない接し方

よかれと思ってした対応が、かえって本人を混乱させ、症状を悪化させることがあります。次の4つは避けましょう。

「物盗られ妄想」は、いちばん身近な人が疑われやすい

「財布を盗られた」と、介護している家族が疑われるのは、認知症でよくある症状です。あなたのせいではありません。否定して言い争うより、「一緒に探そう」と寄り添い、見つかったら本人が見つけた形にするのがコツ。つらいときは一人で抱えず、地域包括支援センターや家族会に相談してください。

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安心を生む接し方の基本

認知症のケアで世界的に大切にされているのは、「本人を一人の人として尊重する」という姿勢です。難しく考えず、次の点を意識するだけで、本人も家族もぐっと楽になります。

  1. まず「そうだね」と受け止める

    話の内容が事実と違っても、いったん本人の気持ちを受け止めます。正しさより、安心が先です。

  2. 短く・ゆっくり・一つずつ伝える

    一度にたくさんの情報や選択肢を出さず、簡単な言葉で一つずつ。急かさず、返事を待ちます。

  3. できることは奪わない

    時間がかかっても、本人ができることは見守ります。役割があることが、その人の尊厳と穏やかさを保ちます。

  4. 環境を変えすぎない

    住み慣れた場所・見慣れた物・決まった日課が、混乱を防ぎます。引っ越しや模様替えは慎重に。

  5. 家族が抱え込まない

    介護する人の心の余裕が、いちばんのケアです。デイサービスやショートステイ、家族会を使って、休む時間を確保してください。

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早めに備えたいお金と手続き

認知症が進むと、本人の判断能力が必要な手続き(銀行・不動産・契約)ができなくなります。判断能力があるうちにしかできない備えがあるため、早めの準備が家族を助けます。

介護保険の対象になる

認知症は要介護認定の対象です。デイサービスやショートステイ、グループホームなど、認知症の方向けのサービスも利用できます。診断がついたら、地域包括支援センターに相談し、早めにケアの体制を整えましょう。

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よくある質問

本人が受診を嫌がって病院に行ってくれません。

正面から「認知症の検査」と言わず、健康診断や持病の通院のついでに、かかりつけ医で診てもらうのが現実的です。家族から事前に様子を医師に伝えておくと、本人を追い詰めずに検査へつなげてもらえます。どうしても難しいときは、地域包括支援センターに相談すると、訪問など本人に合った方法を一緒に考えてくれます。

「財布を盗った」と私が疑われてつらいです。

「物盗られ妄想」は認知症でよくある症状で、最も身近で世話をしている人が疑われやすいものです。あなたのせいではありません。否定して言い争うより、「一緒に探そうか」と寄り添い、見つかったら本人が見つけた形にするのがコツです。一人で抱えず、地域包括支援センターや認知症家族の会に相談してください。

離れて暮らしていて、認知症の進行に気づけるか不安です。

帰省のたびに「冷蔵庫・薬・郵便物・お金の様子」を見るだけでも、変化に気づけます。加えて、配食サービスや見守り機器、ご近所やケアマネジャーとの連携で、離れていても異変を早くキャッチできます。→ 遠距離介護

認知症でも介護保険のサービスは使えますか?

使えます。認知症は要介護認定の対象で、デイサービスやショートステイ、認知症の方が少人数で暮らすグループホームなども利用できます。診断がついたら、まず地域包括支援センターに相談し、要介護認定の申請を進めてください。