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危険が集中する場所を知る

転倒事故が多いのは、意外にも「段差の大きい場所」ではなく毎日長く過ごす場所です。発生場所の上位は居室・寝室、次いで玄関、廊下・階段、トイレ・洗面所、台所の順。つまり、対策は家全体を一気にやる必要はなく、この順番で進めれば効率よくリスクを下げられます。

家の断面図で寝室・玄関・廊下・トイレ・台所・浴室の転倒リスクと対策ポイントを示した図
転倒が起きやすい場所と、部屋ごとの重点チェックポイント

「手垢のついた壁」は手すりの設置サイン

壁や柱に手をついて歩く習慣がある場所は、体がすでに支えを求めている場所です。壁の手垢・黒ずみをたどると、手すりを付けるべき位置がわかります。

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部屋別チェックリスト

チェックした状態はこのブラウザに保存されます。帰省時にスマホで開きながら回るのがおすすめです。

寝室・居室(転倒発生の第1位)

玄関(第2位)

廊下・階段(第3位)

トイレ・洗面所(第4位)

台所・浴室

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お金をかけずに今日できる転倒予防

  1. 床の物を「ゼロ」にする(0円)

    最強の転倒予防は片付けです。特に動線(寝室→トイレ→居間→玄関)の床に物を置かないだけで、リスクは大きく下がります。

  2. 敷物を減らす・固定する(数百円)

    小さな玄関マットや台所マットは、実はつまずきの常連です。思い切って撤去するか、滑り止めシートで固定します。

  3. 照明を明るくする(数百円〜)

    加齢で必要な明るさは若い頃の数倍になります。電球を明るいLEDに替える、人感センサー式の足元灯を廊下に置く。夜のトイレ動線が最優先です。

  4. スリッパをやめる・履物を見直す(0円〜)

    かかとのないスリッパは脱げやすく滑りやすい履物です。室内では滑り止め付き靴下か、かかとまで覆う室内履きに。

  5. 「またぐ・のぼる」をなくす(0円)

    こたつの電源コード、風呂場の高いまたぎ、押入れ上段の布団。日常の「小さな運動能力テスト」を一つずつ減らしていきます。

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介護保険の住宅改修 ― 上限20万円の補助

要支援・要介護認定を受けている人が対象の住宅改修は、上限20万円の工事費のうち7〜9割が支給されます(自己負担1割なら、20万円の工事で自己負担は2万円)。対象になる工事は次の6種類です。

対象工事
① 手すりの取り付け廊下・トイレ・浴室・玄関・階段など
② 段差の解消敷居の撤去、スロープ設置、床のかさ上げ
③ 床材の変更滑りにくい床材への張り替え、畳→フローリング
④ 引き戸などへの扉の取り替え開き戸→引き戸・アコーディオンカーテン
⑤ 洋式便器への取り替え和式→洋式トイレ
⑥ 上記に付帯する工事手すり設置のための壁の下地補強など

工事の前に必ず申請 ― 事後申請は原則NG

支給には「工事前の申請と承認」が必要です。先にリフォームしてしまうと対象外になります。手順は、①ケアマネジャーか地域包括支援センターに相談 → ②理由書・見積書を添えて市区町村に事前申請 → ③承認後に着工、の順。福祉住環境に慣れた業者を紹介してもらえるので、相談から始めるのが安全です。

20万円の枠は分けて使える・リセットもある

上限20万円は一度に使い切る必要はなく、複数回に分けられます。また、転居した場合や要介護度が3段階以上上がった場合は、枠が新たに使えるようになります。認定前の段階なら、自治体独自の高齢者住宅改修助成がある場合もあるので、市区町村のサイトで確認を。

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冬の見えない危険 ― ヒートショック

暖かい居間から寒い脱衣所・浴室に移動すると、急激な温度差で血圧が乱高下し、入浴中の事故につながります。これがヒートショックです。高齢者の入浴中の事故は冬場に集中しており、転倒と並ぶ「家の中の二大リスク」です。

手すりを設置した安全な住まいで暮らす高齢者
住まいの安全化は「本人の自立を守る」投資です
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よくある質問

親が「家をいじられたくない」と改修を嫌がります。

「工事」ではなく「道具」から入るのがコツです。置き型の手すりや突っ張り式の手すりは工事不要で、福祉用具レンタルの対象になる場合があります。使って便利さを実感してから、本設置の話をすると通りやすくなります。

要介護認定を受けていなくても補助はありますか?

介護保険の住宅改修費は認定が前提ですが、自治体独自の高齢者向け改修助成やバリアフリーリフォーム減税が使える場合があります。「市区町村名+高齢者+住宅改修+助成」で検索するか、地域包括支援センターに聞いてみてください。

賃貸の実家でも住宅改修できますか?

可能ですが、大家(所有者)の承諾書が必要です。工事が難しい場合は、置き型手すり・スロープ・シャワーチェアなどのレンタル・購入(特定福祉用具)を組み合わせるのが現実的です。