01

始め方・全体のこと

親の老後準備はいつから始めればいいですか?

親が元気で、話を笑い飛ばせるうちが理想です。目安は親が70歳になったとき、または定年・免許返納・配偶者の他界などの節目。早く始めるほど、任意後見や家族信託など選べる選択肢が多く残ります。まずは緊急連絡先の共有と、家族で話す日を決めることから。→ 全体の流れ

何から手をつければいいか分かりません。

いちばん事故が起きやすいところからで大丈夫です。物忘れや転倒が気になるなら介護の準備、書類の所在が不明なら重要書類の整理、実家が危ないなら片付けと安全化。迷ったらチェックリストの「今週やる3つ」から始めてください。

親が準備の話を嫌がります。

「介護」「相続」という言葉を避け、「もしもの入院のときに私が困らないように」という切り口にすると通りやすくなります。一度で全部決めようとせず、小さく何度も。具体的な言い換え例文は親との話し方にまとめています。

02

介護のこと

親の介護が必要かもと思ったら最初にどこへ相談すればいいですか?

親が住む地域の地域包括支援センターです。保健師・社会福祉士・主任ケアマネジャーがいる公的な総合相談窓口で、相談は無料。介護保険をまだ使わない段階でも相談でき、要介護認定の申請も代行してもらえます。→ 介護のはじめ方

介護費用は誰が払うべきですか?

親自身の年金と貯蓄から支払うのが大原則です。子が自分の家計や老後資金を削ると共倒れになります。介護費用は月平均約9万円、期間は平均で約4年7ヶ月。高額介護サービス費などの軽減制度も必ず活用してください。→ 介護のお金と施設

仕事を辞めて介護に専念すべきですか?

介護離職はおすすめしません。収入と将来の年金を同時に減らし、介護が終わった後の生活を苦しくします。介護休業(通算93日・3回まで分割可)や介護休暇は「自分で介護するため」ではなく「両立の体制を整えるため」の制度です。辞める前に勤務先の制度と地域のサービスを使い切ってください。

遠方に住む親の介護はどうすれば?

相談・申請の窓口は親の住む市区町村ですが、電話相談は可能です。見守りサービス・配食サービス(安否確認つき)・民生委員との関係づくりを組み合わせるのが定番。帰省時にはチェックリストを持って効率よく動きましょう。

施設はいつ探し始めればいいですか?

「追い込まれる前」です。費用が抑えめな特別養護老人ホームは地域によって待機が生じます。入院や介護者の体調不良で急に必要になってから探すと選択肢がなくなるので、「まだ入らないけれど2〜3件見ておく」が正解です。→ 施設の選び方

03

実家・住まいのこと

実家の片付けはどこから始めればいいですか?

親の判断がいらない場所からです。①実家に残した自分の物→②玄関・廊下→③台所・浴室→④思い出の品は最後、の順。思い出の品を最初にやると必ず止まります。「捨てる」ではなく「整理する」「移動する」と言い換えるのもコツです。→ 実家の片付け

親が物を捨てさせてくれません。

「捨てる」を目標にしないでください。最初の目標は「床に物がない通路を作る」「重要書類の場所がわかる」の2つ。これは物を1つも捨てなくても達成でき、安全と情報が確保できれば片付けの8割は成功です。

家の中で転倒が心配です。まず何を?

お金をかけない対策から。動線(寝室→トイレ→居間→玄関)の床の物をなくし、夜のトイレ動線に足元灯をつけ、めくれる敷物を撤去。手すり設置や段差解消は介護保険の住宅改修費(上限20万円・7〜9割補助)が使えます。→ 家の危険チェック

04

お金・書類のこと

親のお金のことは、どこまで聞いておくべき?

残高や暗証番号は不要です。必要なのは「何が・どこにあるか」だけ。銀行名・保険会社名・書類の保管場所を一覧にします。年金月額・生活費・貯蓄の大枠が分かれば、在宅か施設かの判断ができます。→ 重要書類の整理

親が認知症になると銀行口座はどうなりますか?

本人の判断能力が失われたと銀行が知ると、口座が凍結され家族でも引き出せなくなることがあります。判断能力があるうちに、銀行の代理人制度・任意後見・家族信託で備えるのが有効。凍結後は成年後見制度が基本になり、手続きに数ヶ月かかります。→ 認知症とお金

老後2,000万円は本当に必要ですか?

あの数字は一時点の平均から機械的に計算されたもので、各家庭の答えは年金額・生活費・持ち家かどうかで全く違います。「(生活費−年金)×12×老後年数+介護・住まいの予備費」で、わが家の数字を出すことが大切です。→ 老後資金の準備

スマホやネットの契約はどう備える?

ロック解除方法を封筒に入れて重要書類と一緒に保管し、ネット口座・サブスクをサービス名と登録メールだけでも一覧化します。故人のサブスクを解約できず請求が続くトラブルが増えているため、デジタル終活は今や必須です。

05

終活・相続のこと

エンディングノートと遺言書は何が違いますか?

エンディングノートは法的効力がなく、医療・介護・葬儀の希望や連絡先など何でも自由に書けます。遺言書は財産の分け方を法的に指定できますが書き方に厳格な決まりがあります。財産の分け方は遺言書、それ以外はノート、と使い分けます。→ 終活遺言と相続

うちは財産が少ないから相続でもめませんよね?

実は、家庭裁判所に持ち込まれる遺産分割の多くは遺産5,000万円以下の家庭です。財産が少ないほど「分けられない実家(不動産)」の比重が大きく、かえってもめやすい面も。額ではなく「不動産があるか」「相続人の関係性」でリスクを見てください。→ 遺言と相続

相続の手続きには期限がありますか?

あります。相続放棄は3ヶ月以内、相続税の申告は10ヶ月以内、相続登記(名義変更)は3年以内(2024年4月から義務化・怠ると過料も)。まず借金を含めた財産の全体像を早く把握することが大切です。→ 死後の手続きタイムライン

葬儀のお金が用意できるか不安です。

形式(家族葬・一日葬・直葬)の選択で総額は大きく変わります。健康保険から葬祭費・埋葬料が支給され、生命保険は口座凍結の影響を受けず比較的早く受け取れます。自治体の市民葬・区民葬制度がある場合も。生前に2〜3社へ事前相談しておくと安心です。→ もしもの準備

相続や終活は誰に相談すればいいですか?

登記・遺言書作成支援は司法書士、税金は税理士、争いは弁護士、書類作成は行政書士が目安。自治体や士業団体の無料相談会から入るのが手軽です。介護の相談は地域包括支援センター。→ 相談先ガイド