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亡くなった直後から火葬までの流れ

最初の24時間で決めることが集中します。全体の順番を知っているだけで、判断の精度がまったく変わります。

  1. 医師から死亡診断書を受け取る

    病院で亡くなった場合は主治医が、自宅で亡くなった場合はかかりつけ医が発行します。受け取ったらすぐにコピーを5〜10部とってください。年金・保険・銀行など、あとの手続きで何度も必要になります。

  2. 葬儀社を決めて連絡する

    病院からは提携の葬儀社を紹介されますが、その場で即決する必要はありません。搬送だけを依頼して、葬儀の内容は落ち着いてから決めることもできます。

  3. 搬送・安置

    病院の霊安室にいられるのは通常数時間です。自宅か、葬儀社の安置施設へ搬送します。法律上、火葬は死後24時間を経過してからと決められています。

  4. 菩提寺に連絡する(お寺の墓がある場合)

    ここを飛ばすと後で大きな問題になります(詳しくは最後の章)。先祖の墓が寺院にある場合は、葬儀の形式を決めるに連絡してください。

  5. 葬儀社と打ち合わせ

    喪主、日程、規模、宗教形式、料理や返礼品の数、遺影の写真を決めます。日程は火葬場の空き状況で決まるため、都市部では数日待つこともあります。

  6. 死亡届と火葬許可の手続き

    死亡届は死亡を知った日から7日以内に市区町村へ。提出すると火葬許可証が交付されます。実務上は葬儀社が代行することがほとんどです。

  7. 通夜・葬儀告別式・火葬

    火葬のあと骨上げ、精進落とし。最近は初七日法要を葬儀当日に繰り上げて行うことが増えています。

病院で紹介された葬儀社に即決しないために

悲しみと疲労のなかで、比較検討する余裕はありません。だからこそ元気なうちに1〜2社の事前見積もりを取っておくことが、いちばん確実な備えになります。事前相談は無料の葬儀社がほとんどです。

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葬儀の種類と選び方

種類内容向いているケース/注意点
一般葬 通夜と葬儀告別式を行い、親族のほか友人・近所・仕事関係の方も広く招く 地域や職業上のつながりが深い場合。参列者が多いほど香典も増えるため、負担額は規模ほど単純に増えない
家族葬 家族と近しい親族・友人だけで通夜と葬儀を行う いまいちばん選ばれている形。ただし「呼ばなかった人」への配慮が必要。後日弔問が続くこともある
一日葬 通夜を省き、葬儀告別式と火葬を1日で行う 高齢の参列者が多いときや、遠方から集まるとき。菩提寺が認めない場合があるので事前確認を
直葬(火葬式) 儀式を行わず、火葬のみ 費用は最も抑えられる。ただし菩提寺の墓に納骨できなくなることがある。親族の理解も事前に得ておく

「小さくする」ときほど、事前の合意が要ります

費用を抑えたい気持ちは自然ですが、あとから親族に「なぜ知らせてくれなかった」と言われるトラブルは非常に多いです。規模を小さくする場合は、本人の希望であることをエンディングノートなどに残しておくと、遺された家族が説明しやすくなります。→ 終活・エンディングノート

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費用の内訳と目安

「葬儀費用」と一口に言っても、実は性格の違う4つのお金が混ざっています。ここを分けて考えないと、見積もりの比較ができません。

費目内容変動する要因
① 葬儀一式の費用祭壇、棺、寝台車・霊柩車、ドライアイス、スタッフ、式場使用料など祭壇のグレード、安置日数
② 飲食接待費通夜振る舞い、精進落とし、返礼品、会葬礼状参列者の人数に比例して増減する
③ 宗教者へのお礼お布施、戒名(法名)のお礼、お車代、御膳料宗派・地域・戒名の位。葬儀社の見積もりには含まれない
④ 火葬料火葬場の使用料公営か民営か、住民かどうかで大きく差が出る

費用の目安

各種の調査では、飲食や返礼品を含めた葬儀全体の費用はおおむね100万円前後という結果が多く見られます。家族葬なら数十万円〜100万円程度、直葬(火葬式)なら20〜40万円程度が一つの目安です。ただし地域差・宗派・参列者数で大きく変わるため、必ず自分の地域で見積もりを取って確認してください

香典と「持ち出し」は別の話

参列者が多い葬儀は費用も増えますが、香典収入も増えます。逆に家族葬は費用が抑えられる一方で香典もほとんど入りません。実際の持ち出し額は、規模を小さくしても思ったほど減らないことがあります。総額だけでなく、手元から出る金額で比べてください。

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見積もりで必ず確認する5点

葬儀の見積もりは項目が多く、比較しづらいのが実情です。次の5点だけは、必ず口に出して確認してください。

  1. 「一式」に含まれないものは何か

    プランに含まれるものより、含まれないものを聞くほうが早いです。式場使用料、火葬料、お布施、飲食、返礼品——このあたりが別建てになっていることが多い項目です。

  2. 安置日数が延びるといくら増えるか

    火葬場が混んでいると、安置が数日延びます。ドライアイスの追加費用や安置施設の利用料は1日あたりいくらかを確認しておきます。

  3. 参列者が増減したら、どこが変わるか

    料理・返礼品・会葬礼状は人数連動です。「20人の想定で、30人になったらいくら増えるか」を具体的に聞いておくと安心です。

  4. お布施の相場を聞いておく

    葬儀社は宗教者へのお礼を受け取りませんが、地域の相場は把握しています。遠慮せず「このあたりだといくらぐらいですか」と聞いてください。

  5. 総額はいくらで、税込みか

    最後に必ず「これで追加なしの総額ですか」と確認し、見積書を書面でもらいます。口頭だけの説明で進めないことが大切です。

※ 葬儀費用のトラブルは、国民生活センターにも相談が寄せられています。契約内容に納得できない場合は、消費者ホットライン(188)に相談できます。

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元気なうちにできる準備

実際に困るのは「本人の希望がわからない」ことです。金額の話をしなくても、決めておけることはたくさんあります。

本人と一緒に決めておくこと

家族側でやっておくこと

亡くなると銀行口座はすぐ動かせなくなります

金融機関が死亡を把握すると口座は凍結され、葬儀費用も引き出せなくなります。相続人が単独で一定額まで引き出せる預貯金の払戻し制度はありますが、書類がそろうまで時間がかかります。数十万円は現金または家族の口座で用意しておくのが現実的です。→ 認知症とお金

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申請すれば受け取れるお金(葬祭費・埋葬料)

健康保険から、葬儀を行った人に対して給付があります。自動では支払われず、申請が必要です。

加入していた保険名称窓口金額の目安
国民健康保険葬祭費市区町村自治体により1万〜7万円程度(東京23区は7万円)
後期高齢者医療制度葬祭費市区町村/広域連合自治体により差があります
健康保険(会社員など)埋葬料・埋葬費協会けんぽ・健康保険組合5万円が基本
労災(業務上の死亡)葬祭料(葬祭給付)労働基準監督署別に定めがあります

申請期限は原則2年。忘れやすい制度です

葬祭費・埋葬料の請求権は、おおむね2年で時効になります。葬儀が終わって落ち着いたら、健康保険証を返却するタイミングで一緒に手続きしてしまうのが確実です。申請には葬儀の領収書や会葬礼状など「喪主であること」がわかる書類が必要です。

費用の支払いが難しい場合

生活保護を受けている方が亡くなった場合などは、葬祭扶助という制度があります。ただし葬儀を行う前に福祉事務所へ相談する必要があり、先に葬儀を契約してしまうと対象外になることがあります。困りそうなときは、まず市区町村の福祉担当窓口へ。

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菩提寺とお布施のこと(いちばんの落とし穴)

先に戒名をもらうと、納骨できなくなることがあります

先祖の墓が寺院にある(=檀家である)場合、その寺の住職に葬儀をお願いするのが基本です。事情を知らずに葬儀社が手配した僧侶に戒名をつけてもらうと、菩提寺から「うちの墓には納骨できない」と言われることがあります。これは実際によく起きるトラブルです。

遠方で来てもらえない場合でも、先に菩提寺へ連絡して相談することで、同じ宗派の僧侶を紹介してもらえたり、戒名だけ授けてもらえたりします。順番を守れば防げる問題です。

お布施をどう考えるか

お布施は対価ではなく「気持ち」とされるため、金額が明示されないのが一般的です。とはいえ、まったく見当がつかないままでは困ります。次のような聞き方が現実的です。

聞く相手聞き方の例
菩提寺の住職「失礼のないようにしたいのですが、みなさまどのくらい包まれていますか」
親族・同じ寺の檀家「前回はどうされましたか」(いちばん実態に近い情報が得られます)
葬儀社「この地域の相場を教えてください」(地域の相場は把握しています)

※ 本ページの内容は2026年8月時点の一般的な整理です。費用の相場、給付金の金額や申請先は、地域・加入している保険・宗派によって異なります。実際の手続きは市区町村の窓口、加入する健康保険、葬儀社にご確認ください。

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よくある質問

家族葬にすると、費用はどのくらい抑えられますか?

会場や飲食・返礼品の規模が小さくなるぶん、総額は下がります。ただし香典収入も同時に減るため、実際の持ち出し額は思ったほど変わらないことがあります。比較するときは総額ではなく「手元から出る金額」で見てください。また、あとから個別に弔問を受けることになり、対応が長引く場合もあります。

病院で紹介された葬儀社に、その場で決めないといけませんか?

決める必要はありません。搬送だけを依頼して、葬儀の内容はあらためて別の葬儀社と相談することもできます。ただし亡くなった直後に冷静な比較をするのは難しいため、元気なうちに1〜2社の事前見積もりを取っておくのがいちばん確実です。事前相談を無料で受け付けている葬儀社がほとんどです。

お寺の墓があります。葬儀社が紹介するお坊さんに頼んでもよいですか?

先に菩提寺へ連絡してください。事前の相談なく別の僧侶に戒名をつけてもらうと、菩提寺の墓に納骨できなくなることがあります。遠方で来ていただけない場合でも、菩提寺から同じ宗派の僧侶を紹介してもらえたり、戒名だけ授けてもらえたりします。順番を守れば防げるトラブルです。

葬儀費用の足しになる公的なお金はありますか?

健康保険から、葬儀を行った人に給付があります。国民健康保険・後期高齢者医療制度なら市区町村の葬祭費(自治体により1万〜7万円程度)、会社員の健康保険なら埋葬料(5万円が基本)です。いずれも申請しなければ支払われず、期限は原則2年です。健康保険証を返却するときに一緒に手続きすると忘れません。