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サービスを使い始めるまでの流れ

介護保険のサービスは、申し込めばすぐ使えるものではありません。認定を受けて、計画を作って、事業者と契約する——という順番があります。全体で1か月前後かかると考えておいてください。

  1. 要介護認定を申請する

    市区町村の窓口か地域包括支援センターへ。訪問調査と主治医意見書をもとに判定され、結果通知は原則30日以内です。→ 介護のはじめ方

  2. 認定結果に応じて担当が決まる

    要支援1・2なら地域包括支援センターが、要介護1〜5なら居宅介護支援事業所のケアマネジャーが担当します。ケアマネジャーは自分で選べます。地域包括支援センターに事業所の一覧をもらいましょう。

  3. ケアプランを作る

    本人と家族の希望を聞き取り、どのサービスをいつ・どれだけ使うかの計画を立てます。ケアプランの作成費用に自己負担はありません(全額が介護保険から支払われます)。

  4. 事業者と契約してサービス開始

    デイサービスなどは見学してから決められます。合わなければ変更もできます。使い始めたあとも、状態の変化に合わせてケアプランは何度でも見直せます。

認定の結果を待つ間もサービスは使えます

申請から結果が出るまでの間も、暫定ケアプランを作って前倒しでサービスを使う方法があります。ただし想定より軽い認定が出ると自己負担が増える可能性があるため、必ずケアマネジャーに相談したうえで判断してください。

02

在宅で使えるサービスの種類

在宅サービスは「来てもらう」「通う」「泊まる」「環境を整える」の4つに分けると理解しやすくなります。

分類おもなサービスどんなときに
来てもらう
(訪問系)
訪問介護(ホームヘルプ)/訪問入浴介護/訪問看護/訪問リハビリテーション/居宅療養管理指導 自宅で身の回りの介助や医療的なケアを受けたい。入浴が一人では難しい
通う
(通所系)
通所介護(デイサービス)/通所リハビリテーション(デイケア) 日中の居場所と入浴・食事・体操。家族が休む時間をつくりたい
泊まる
(短期入所)
短期入所生活介護(ショートステイ)/短期入所療養介護(医療型) 家族の用事や休息、介護者の体調不良のとき。数日から利用できる
環境を整える 福祉用具貸与/特定福祉用具販売/住宅改修 手すり・介護ベッド・車いす。段差の解消や手すりの取り付け
組み合わせ型 小規模多機能型居宅介護/看護小規模多機能型居宅介護/定期巡回・随時対応型訪問介護看護 「通い・訪問・泊まり」を1つの事業所でまとめたい。夜間も含めて短時間の訪問を繰り返してほしい

訪問介護の「生活援助」でできないこと

ヘルパーの生活援助は本人のための家事に限られます。次のようなことは原則として頼めません。ここを誤解していると「思っていたのと違う」となりがちです。

  • 同居している家族の分の調理・洗濯・買い物
  • 来客の対応、庭の草むしり、ペットの世話
  • 大掃除、家具の移動、正月の準備など日常的でない家事

これらが必要な場合は、介護保険外の自費サービスや、市区町村・社会福祉協議会の独自サービス、シルバー人材センターの利用を検討します。

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要介護度別に使える上限額(区分支給限度基準額)

介護保険では、1か月に使えるサービス量の上限が要介護度ごとに決まっています。これを区分支給限度基準額といい、「単位」で表されます。1単位はおおよそ10円(地域とサービス種類によって10円〜11.40円程度)です。

要介護度1か月の上限(単位)金額の目安
1単位10円で計算
自己負担1割の場合
要支援15,032単位約50,300円約5,000円
要支援210,531単位約105,300円約10,500円
要介護116,765単位約167,600円約16,700円
要介護219,705単位約197,000円約19,700円
要介護327,048単位約270,400円約27,000円
要介護430,938単位約309,300円約30,900円
要介護536,217単位約362,100円約36,200円

※ 2026年8月時点の単位数です。介護報酬は数年ごとに改定され、単位あたりの金額も地域区分によって異なります。実際に使える金額はケアマネジャーが計算しますので、必ず担当者にご確認ください。

上限を超えたらどうなる?

超えた分は全額(10割)が自己負担になります。ケアマネジャーは限度額に収まるようプランを組むのが基本ですが、どうしても足りない場合は、自費サービスや保険外の選択肢と組み合わせて検討します。

この上限に「入らない」もの

次のものは限度額とは別枠です。特定福祉用具の購入(年間10万円まで)、住宅改修(原則20万円まで)、居宅療養管理指導、ケアプラン作成費など。→ 住宅改修の補助制度

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自己負担はいくらになるか

自己負担の割合は、本人の所得と世帯の状況によって1割・2割・3割のいずれかになります。毎年届く「介護保険負担割合証」で確認できます。

月の負担には上限があります(高額介護サービス費)

1か月の自己負担が一定額を超えると、超えた分が後から払い戻されます。多くの一般的な所得の世帯では月44,400円が上限です。

区分(おおまかな目安)1か月の上限額
現役並みの所得が高い区分140,100円(世帯)
現役並み所得の区分93,000円(世帯)
一般的な所得の区分44,400円(世帯)
世帯全員が住民税非課税24,600円(世帯)/収入が特に少ない場合は個人15,000円
生活保護を受けている場合など15,000円

1回だけ申請すれば、その後は自動で振り込まれます

高額介護サービス費は、初回だけ市区町村へ申請すれば、以後は該当した月に自動で口座に振り込まれるのが一般的です。「知らずに損をしていた」がいちばん多い制度なので、必ず確認してください。

介護保険で払い戻されない費用もあります

デイサービスやショートステイの食費・おむつ代・日用品費・レクリエーション代、施設の居住費などは介護保険の対象外で、高額介護サービス費の計算にも含まれません。実際の支払いは限度額どおりにはならない点に注意してください。→ 介護のお金と施設

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組み立て方の例 ― 3つのケース

同じ要介護度でも、家族の状況によって組み方はまったく変わります。あくまで考え方の例として3つ挙げます。

状況組み立ての例ねらい
要介護1・一人暮らしの親
(子は遠方)
デイサービス週2回+訪問介護(生活援助)週2回+福祉用具で手すりレンタル 安否確認の機会を週4回つくる。人の目が定期的に入ることが最大の安全対策
要介護3・同居で介護
(介護者が働いている)
デイサービス週4〜5回+訪問介護(身体介護)朝+月1回ショートステイ 日中を預けて仕事を続ける。定期的な泊まりで介護者が休む時間を確保する
要介護5・在宅で看たい 訪問看護+定期巡回・随時対応型訪問介護看護+訪問入浴+福祉用具(介護ベッド等) 医療的なケアを含めて在宅を支える。夜間の不安に対応できる体制をつくる

「家族が休むための利用」は正当な使い方です

ショートステイやデイサービスを増やすことに罪悪感を持つ方がいますが、介護者が倒れれば在宅生活そのものが続きません。介護者の休息を確保することは、本人のためのプランでもあります。→ 介護疲れと共倒れ防止

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ケアマネジャーとの付き合い方

在宅介護の質は、ケアマネジャーとの関係でかなり変わります。とはいえ「お世話になっているから言いにくい」と我慢してしまう家族が多いのも事実です。

伝えるべきことを、遠慮なく伝える

ケアマネジャーは変更できます

相性が合わない、連絡が取りにくい、提案が一方的——そう感じたら変更して構いません。方法は2つです。①今の事業所に「担当を替えてほしい」と伝える、②別の居宅介護支援事業所に切り替える。言いにくい場合は地域包括支援センターや市区町村の介護保険担当課に相談すれば間に入ってもらえます。変更しても本人が不利益を受けることはありません。

※ 事業所を替える場合、それまでのサービス利用の記録は引き継がれます。手続きはケアマネジャー同士で行われるため、家族が細かい書類を用意する必要は基本的にありません。

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よくある勘違いと注意点

よくある勘違い実際は
「限度額いっぱい使わないと損」使うほど自己負担も増えます。本人ができることまで代行すると、かえって力が落ちることも。必要な分だけ使うのが原則です
「一度決めたプランは変えられない」いつでも見直せます。状態が変わったら早めにケアマネジャーへ連絡を
「認定は一度受ければずっと同じ」有効期間があり更新が必要です。状態が悪化したときは期間の途中でも区分変更申請ができます
「介護保険のサービスしかない」市区町村の独自サービス(配食・移送・見守り)、社会福祉協議会、シルバー人材センター、民間の自費サービスもあります
「同じ名前のサービスならどこも同じ」デイサービスは事業所ごとに雰囲気もプログラムも大きく違います。必ず見学を

見学のときに見るところ

送迎の範囲と時間、入浴の設備、食事の形態(きざみ・ミキサー食に対応できるか)、認知症の方への対応、レクリエーションの内容、職員の声のかけ方。本人が「また行きたい」と思えるかがいちばん大事です。合わなければ変えて構いません。

※ 本ページの内容は2026年8月時点の一般的な整理です。単位数・自己負担の区分・サービスの内容は制度改正や自治体の運用で変わります。実際の利用にあたっては、担当のケアマネジャー、地域包括支援センター、市区町村の介護保険担当課にご確認ください。

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よくある質問

要介護1と要介護3では、使えるサービス量はどれくらい違いますか?

1か月に使える上限は、要介護1が16,765単位(1単位10円で計算すると約167,600円分)、要介護3が27,048単位(約270,400円分)で、おおよそ1.6倍の差があります。自己負担1割なら、それぞれ月17,000円弱と27,000円弱が上限の目安です。ただし単位数は改定されるため、最新の金額はケアマネジャーにご確認ください。

ヘルパーさんに、同居している私の分の食事も作ってもらえますか?

できません。訪問介護の生活援助は利用者本人のための家事に限られます。同居家族の分の調理・洗濯・買い物のほか、来客対応、庭の手入れ、ペットの世話、大掃除なども対象外です。こうした支援が必要な場合は、介護保険外の自費サービスや、市区町村・社会福祉協議会の独自サービス、シルバー人材センターの利用を検討してください。

ケアマネジャーが合いません。変更してもよいのでしょうか?

変更して構いません。方法は、①今の事業所に担当の変更を申し出る、②別の居宅介護支援事業所に切り替える、の2つです。直接言いにくい場合は、地域包括支援センターや市区町村の介護保険担当課に相談すれば間に入ってもらえます。変更したことで本人が不利益を受けることはありません。長く付き合う相手なので、我慢せず早めに動くほうが結果的にうまくいきます。

上限額を超えてサービスを使うことはできますか?

使うことはできますが、超えた分は全額が自己負担になります。まずはケアマネジャーに相談し、サービスの組み替えで収まらないかを検討してください。それでも足りない場合は、市区町村の独自サービスや自費サービスと組み合わせる、あるいは施設への入居を含めて生活全体を見直す時期かもしれません。→ 老人ホームの選び方もあわせてご覧ください。