親に「詐欺に気をつけて」と伝えても、なかなか伝わりません。本人は「自分は大丈夫」と思っているからです。実際、被害に遭った方の多くが、事前に注意を聞いていました。

だから、本人の注意力に頼らない仕組みをつくるほうが確実です。その代表が、固定電話を常時留守番電話にすることです。

1

なぜ留守番電話が効くのか

詐欺の電話をかけている側にとって、いちばん困るのは声が記録されることです。録音されれば証拠が残ります。そのため、留守番電話につながった時点で切って、次の番号にかける——というのが実情です。

つまり、こちらが何かを判断する必要すらありません。出ないことが、そのまま対策になります。用件のある相手はメッセージを残すので、聞いてからかけ直せば十分です。

設定のコツ

「留守のときだけ」ではなく常時オンにするのがポイントです。呼び出し時間を0回または1回に設定すれば、実質的にすべての着信が録音されます。家にいても、まず録音を聞いてから出る習慣にしてください。

2

迷惑電話防止機器には補助が出ることも

もう一歩進めるなら、迷惑電話防止機器という選択肢があります。着信時に「この通話は録音されます」という警告を自動で流し、通話を録音する装置です。効果は高く、購入費用を補助している自治体が多くあります

市区町村の消費生活センターや高齢者福祉の窓口に「迷惑電話防止機器の補助はありますか」と聞いてみてください。無料で貸し出している自治体もあります。

3

家族で決めておく2つのルール

  1. 「番号が変わった」と言われても、元の番号にかけ直す

    これを家族の絶対ルールにします。オレオレ詐欺の入り口は、ほぼこの一言です。かけ直せば、本人につながって終わりです。

  2. ATMでは絶対に携帯電話を使わない

    電話で指示を受けながらATMを操作しているのは、還付金詐欺の典型的な光景です。そもそも還付金をATMで受け取ることはできません。この一点だけでも覚えてもらえれば、被害は大きく減ります。

4

いちばん大事なのは「責めない」こと

被害が大きくなるのは、最初の一件を家族に相談できなかったときです。「なんでそんなものに引っかかったの」と言われた経験があると、次からは隠します。そして被害は膨らみます。

だから、ふだんから「変な電話が来たら教えてね、うちにも来るから」と、責めない形で話題にしておくのが効果的です。実際に相談されたときは、まず「話してくれてよかった」と言ってください。そのうえで、契約書や振込の記録を集めて、消費者ホットライン(188)に相談します。→ 親を狙う詐欺の対策