仏壇じまいと供養

仏壇や位牌は、家具のように処分するわけにはいきません。手順と費用、そして家族の気持ちの整理のしかたをまとめます。

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仏壇じまいの流れ

仏壇は、家具として捨てるのではなく、供養をしてから処分するのが一般的です。宗教的な決まりというより、家族の気持ちの整理のための手順と考えるとよいでしょう。

  1. 家族・親族に相談する仏壇の扱いは感情が絡みます。特に親の兄弟姉妹(おじ・おば)には、事前に伝えておくと後の関係がこじれません。
  2. 引き継ぐ人がいないか確認する誰かが小さい仏壇に買い替えて引き継ぐ、という選択もあります。最近は現代的なデザインの小型仏壇も一般的です。
  3. 菩提寺(お寺)に連絡する檀家になっているお寺があれば、まずそこへ相談します。閉眼供養(魂抜き)を依頼します。
  4. 閉眼供養をしてもらう僧侶に読経してもらい、仏壇から魂を抜く儀式です。お布施の目安は1万〜5万円程度。出張費(お車代)が別途必要なこともあります。
  5. 中身を分けて整理する位牌、遺影、過去帳、仏具、お供え物。位牌と過去帳は残す・引き継ぐことが多い部分です。
  6. 仏壇本体を処分する仏壇店、寺院、専門業者、遺品整理業者、自治体の粗大ごみのいずれか。方法によって費用が変わります。

仏壇じまいの費用

仏壇じまいの費用の目安
項目費用の目安備考
閉眼供養(お布施)1万〜5万円宗派やお寺との関係で幅がある。お車代5,000〜1万円が別途
仏壇店に引き取ってもらう2万〜8万円買い替えなら無料または割引になることが多い
専門業者・お焚き上げサービス1万〜10万円供養込みのプランがある。サイズで変動
遺品整理業者にまとめて依頼1万〜5万円(作業に含む)供養は別料金のことが多い
自治体の粗大ごみ1,000〜3,000円最も安いが、供養は別途自分で手配
位牌のお焚き上げ3,000〜1万円/1基郵送で受け付ける寺院もある

お寺との関係も整理する

実家が檀家になっている場合、仏壇じまいだけでなく離檀(檀家をやめること)の話が出ることがあります。その際に離檀料を求められるケースがありますが、法律上支払い義務のあるものではありません。ただし、お墓の改葬には墓地の管理者の証明が必要になるため、関係を悪くしないように丁寧に相談することが大切です。金額の話でこじれた場合は、消費生活センターや弁護士に相談する方法もあります。

位牌・遺影・過去帳の扱い

位牌

先祖の位牌が何十基もある場合、すべてを引き継ぐのは現実的でないことがあります。その場合は繰り出し位牌(複数の戒名を1つにまとめられる位牌)にまとめる、あるいは永代供養をお寺に依頼して位牌を預ける方法があります。処分する位牌はお焚き上げをしてもらいます。

遺影

大きな額入りの遺影は場所を取るため、多くの家庭で扱いに困ります。写真をデータ化し、小さくプリントし直して手元に置く方法が現実的です。元の遺影は、お焚き上げか、写真の供養を受け付けているサービスに依頼します。

過去帳・法名軸

家系の記録として貴重なため、残すことをおすすめします。写真に撮ってデータでも保存しておくと、後から親族に聞かれたときに役立ちます。

神棚・お札・お守り

神棚は神社で「昇神の儀」をしてもらってから処分するのが丁寧な扱いです。お札やお守りは、いただいた神社に納めるのが原則ですが、遠方であれば近くの神社の古札納所でも受け付けてもらえることが多いです。年末年始のどんど焼きに出す方法もあります。

神棚とお札は分けて考える

神棚の棚板や宮形は木材なので、供養後は木材として処分できます。中に納められているお札は神社へ。分けて考えると迷いません。

お墓をどうするか(墓じまい)

実家じまいと同時に、お墓の問題が出てくることがあります。誰も墓参りに行けなくなる、管理料を払い続けられない、といった理由です。

墓じまい(改葬)の流れ

  1. 親族の合意を得る墓じまいは、あとから親族の反対が出るともっとも紛糾する部分です。必ず先に話を通します。
  2. 新しい納骨先を決める永代供養墓、納骨堂、樹木葬、散骨、自宅近くの墓地への移設など。受入証明書が必要になります。
  3. 今の墓地の管理者に伝える埋葬証明書を発行してもらいます。
  4. 市区町村で改葬許可を取る現在の墓地がある市区町村へ、改葬許可申請書を提出します。
  5. 閉眼供養と遺骨の取り出し僧侶に読経してもらい、石材店が遺骨を取り出します。
  6. 墓石を撤去して更地に戻す石材店の工事。1平方メートルあたり10万〜20万円程度が目安です。
  7. 新しい納骨先へ納骨する開眼供養を行う場合もあります。
墓じまいにかかる費用の目安
項目費用の目安
墓石の撤去・整地1平方メートルあたり10万〜20万円(合計20万〜50万円が中心)
閉眼供養のお布施3万〜10万円
改葬許可などの手数料数百円〜1,500円程度
新しい納骨先永代供養墓10万〜50万円、納骨堂20万〜100万円、樹木葬20万〜80万円
離檀料(求められた場合)0〜20万円程度(法的な支払い義務はない)

合計すると、50万〜150万円程度になることが多い作業です。ただし、放置して無縁墓になると、最終的には墓地の管理者によって撤去され、遺骨は合祀されます。判断を先送りするほど選択肢は狭くなります。

このページのよくある質問

菩提寺がどこか分かりません。

仏壇の中の過去帳や、法事の際の書類、お布施の控えに寺院名が書かれていることがあります。分からない場合は、その宗派の寺院や、供養つきの処分サービスに依頼する方法もあります。

仏壇を粗大ごみで出すのは失礼でしょうか。

法律上も宗教上も禁止されているわけではありません。閉眼供養を済ませていれば、仏壇は木製の家具です。気持ちの問題なので、家族が納得できる方法を選んでください。

遠方に住んでいて、お寺に行けません。

郵送でお焚き上げを受け付けている寺院やサービスがあります。位牌やお守り、写真などを箱に詰めて送ると、供養したうえで処分し、証明書を送ってくれるところもあります。

墓じまいをすると先祖に申し訳ない気がします。

誰も参れなくなって荒れたまま放置されるより、永代供養に移して確実に供養してもらうほうがよい、という考え方もあります。正解はありませんが、次の世代に判断を先送りしない選択も一つの誠実さです。