業者の選び方と、見積もりの取り方

片付けも解体も、業者によって金額が大きく変わる業種です。まず許可を確認し、次に見積書の内訳を読む。この2つで、失敗のほとんどは防げます。

読む目安:約10分

まず「許可」を確認する

業者選びで最初に見るべきは、料金でも口コミでもなく許可の有無です。家庭から出るごみを運ぶには、市区町村の許可が必要だからです。

業者が持っているべき許可・資格
許可・資格何ができるか確認方法
一般廃棄物収集運搬業の許可家庭から出るごみを運搬できる。これが本体市区町村のホームページに許可業者の一覧がある
市区町村からの委託許可と同様に、家庭ごみを扱える自治体に問い合わせる
古物商の許可中古品を買い取れる(処分はできない)公安委員会の許可番号を確認
産業廃棄物収集運搬業の許可事業所から出る廃棄物を運べる。家庭ごみは対象外都道府県のホームページ
遺品整理士(民間資格)遺品整理の知識を学んだ証明認定協会のサイトで検索

よくある誤解

「産業廃棄物の許可があります」と説明する業者がいますが、産業廃棄物の許可では家庭のごみを運べません。また「古物商の許可があるので大丈夫」という説明も、買取はできても処分はできないという意味です。

許可のない業者に頼み、その業者が不法投棄をした場合、依頼した側も責任を問われる可能性があります。「安いから」で選ぶのが最も危険な部分です。

悪質な業者の見分け方

危険信号のチェックリスト

  • 「無料回収」をうたって巡回しているトラック、または無許可でチラシを投函している
  • 見積書を出さない、または「一式」としか書かれていない
  • 会社の所在地が書かれていない、携帯電話番号しか連絡先がない
  • その場で契約を迫る(「今日決めてくれれば半額」など)
  • 作業後に高額を請求する(積み込んでから金額を言う)
  • 許可番号を聞いても答えられない
  • ホームページに料金の目安がまったく書かれていない
  • 訪問見積もりを断り、電話だけで金額を決めようとする

トラブルにあってしまったら

不当な請求を受けた場合や、契約内容と違う作業をされた場合は、消費者ホットライン「188」(いやや)に電話すると、最寄りの消費生活センターにつながります。訪問販売にあたる契約なら、クーリング・オフ(8日以内)が使える場合もあります。

その場で支払いを求められても、納得できないときはサインをしない・支払わないことが基本です。脅されるような状況になったら警察に連絡してください。

見積もりの取り方

  1. 2〜3社に依頼する1社だけだと、その金額が高いのか安いのか判断できません。3社取ると相場の幅が見えます。
  2. 同じ条件で見てもらう「残すものはこれ」「この部屋は対象外」といった条件を全社に同じように伝えます。条件が違うと比較になりません。
  3. できれば訪問見積もりにする電話やメールだけの概算は、当日に追加請求が出やすくなります。遠方の場合は、写真や動画を送ってのオンライン見積もりに対応する会社を選びます。
  4. 見積書を書面でもらう口頭だけの金額は、後から変わります。メールでもよいので、記録に残る形にしてもらいます。
  5. 内訳を確認する人件費、車両費、処分費、リサイクル料金、階段作業費。どこまで含まれているかを聞きます。
  6. 追加料金の条件を確認する「当日、追加料金が発生するのはどんなときですか」と直接聞き、答えを書面に残してもらいます。

見積書のどこを見るか

見積書のチェックポイント
項目見るポイント
総額税込みか税抜きか。「〜」で幅がある場合は、上限がいくらか
作業人数と時間2名×4時間なのか、4名×8時間なのか。人件費の根拠になる
トラックの台数と大きさ軽トラ1台か2トン車か。物量の見立てが妥当か
処分費含まれているか、別途か。「実費精算」の場合は上限を確認
家電リサイクル料金対象4品目がある場合、別途になっていることが多い
階段・横持ち作業費エレベーターがない、道が狭い場合の加算
買取額差し引かれているか。何をいくらで買い取るのか
清掃・消臭含まれる範囲。簡易清掃なのかハウスクリーニングなのか
キャンセル料いつからいくら発生するか
支払い方法と時期前払いか後払いか。現金のみか

「一式 ○○円」だけの見積書は避ける

内訳のない見積書は、後から「これは含まれていない」と言われる余地を残します。少なくとも、作業人数・車両・処分費が含まれるかどうかは書面で確認してください。真っ当な業者ほど、内訳をきちんと出してくれます。

どの業者に何を頼むか

実家じまいでは、複数の業種が関わります。それぞれの守備範囲を知っておくと、頼み先を間違えずに済みます。

実家じまいに関わる業者と費用の目安
業種頼めること費用の目安
遺品整理業者仕分け・搬出・処分・簡易清掃・供養の手配・買取3万〜60万円(間取りと物量で変動)
不用品回収業者運び出しと処分(仕分けは依頼者)軽トラ1台1万〜3万円、2トン車3万〜8万円
ハウスクリーニング業者水回り・床・窓の徹底清掃一戸建て3万〜15万円
解体業者建物の解体、整地、廃材の処分木造30坪で90万〜200万円
不動産会社売却の仲介、賃貸の募集、査定仲介手数料は売買価格の3%+6万円+税が上限
買取業者貴金属・着物・骨董・工具などの買取無料査定が一般的
司法書士相続登記、遺産分割協議書の作成5万〜15万円程度
税理士相続税の申告、譲渡所得の相談遺産総額の0.5〜1%程度が目安
造園業者・シルバー人材センター庭木の剪定、草刈り1日1万〜3万円程度

契約書で必ず確認する条項

見積書に納得したら、次は契約です。トラブルの多くは、契約書に書いていないことをめぐって起きます。次の項目が入っているかを確認してください。

契約書のチェック項目
条項確認すること
作業の範囲どの部屋・どの範囲を対象とするか。庭、物置、車庫を含むか
残すものの扱い「この部屋の物は残す」といった指定が明記されているか
貴重品が出た場合現金・通帳・貴金属が出たとき、誰にどう連絡するか
作業日と所要日数延びた場合の扱い
総額と内訳処分費・車両費・人件費・リサイクル料金が含まれるか
追加料金の条件どういう場合に、いくら加算されるか。上限があるか
買取の扱い何をいくらで買い取り、作業費から差し引くか
廃棄物の処理どこへ運び、どう処理するか。マニフェスト(管理票)の発行の有無
建物を傷つけた場合損害賠償の責任と、保険に入っているか
キャンセル料いつから、いくら発生するか
支払い方法と時期前払いか後払いか、分割ができるか

立ち会えないときこそ書面を厚くする

遠方で当日立ち会えない場合、口頭のやりとりは残りません。残すものの写真を撮って業者と共有し、その写真を契約書に添付してもらうくらいの慎重さがちょうどよいです。作業前後の写真を送ってもらう約束も、あわせて取り付けてください。

一括見積もりサービスの使い方と注意点

複数社をまとめて比較できるサービスは、相場をつかむのに便利です。特に遠方の実家では、地元の業者を自分で探すのは大変なので、有効な手段になります。

うまく使うコツ

  • 入力する条件は具体的に:間取り、物量の目安、階数、エレベーターの有無、作業希望日。曖昧だと概算がぶれます。
  • 連絡が来る時間帯を指定する:複数社から一斉に電話が来ることがあります。メール希望と書ける欄があれば使います。
  • 最安値だけで決めない:極端に安い見積もりは、当日の追加請求や不法投棄のリスクがあります。
  • 断るときははっきり断る:「他社に決めました」と伝えれば済みます。

このサイトの立場

当サイトでは、複数社を比較できるサービスを紹介することがあります。紹介を通じて申し込みがあった場合、当サイトが紹介料を受け取ることがありますが、利用者の料金が上がることはありません。また、紹介料の有無で内容を変えることはしていません。判断の材料としてお使いください。

このページのよくある質問

見積もりは無料ですか。

多くの業者で訪問見積もりまで無料です。ただし、出張費がかかる会社もあるため、依頼時に「見積もりは無料ですか、出張費はかかりますか」と確認してください。

見積もりを取ったら断りにくくなりませんか。

断って構いません。「他社と比較して決めます」と最初に伝えておくと、その後の連絡もスムーズです。しつこく勧誘してくる業者は、その時点で候補から外す判断材料になります。

極端に安い業者を見つけました。頼んでもよいですか。

許可の有無と見積書の内訳を確認してください。適正な処分にはコストがかかるため、相場の半額以下は何かを省いている可能性があります。当日の追加請求や不法投棄のリスクを念頭に判断してください。

知り合いの紹介なら安心でしょうか。

信頼できる可能性は高いですが、紹介であっても見積書は書面でもらってください。関係があるほど、金額の話をしにくくなり、後で不満が残ることがあります。