親の家をどうするか。
迷わないための実家じまいマニュアル

実家じまいは、片付け・手続き・家の処分が同時に進む、家族にとって大きな仕事です。このサイトは、はじめての人がつまずきやすい順番と費用を、一つずつ実務目線でまとめました。

片付け・名義変更・売却・解体をひとつの流れで

実家じまいは「片付け」だけの話ではありません。荷物を出す前にやっておくと得をすることがあり、名義を直さないと売ることも貸すこともできず、空き家のまま置いておくと毎年お金が出ていきます。このサイトは、何を・どの順番で・誰に頼むのかを、はじめての人が迷わないようにまとめた実務ガイドです。全体像だけならおよそ13分で読めます。

実家の日本家屋と、片付けのために積まれた段ボール箱のイラスト
実家じまいは、片付け・手続き・家の処分の3つが同時に進みます
3年相続を知った日から相続登記をするまでの期限(義務)
最大6倍放置して勧告を受けた空き家の固定資産税
3か月相続放棄をするかどうかを決める期限

※期限は「知った日」が起点です。詳しくは相続のスケジュールをご覧ください。

実家じまいは、この順番で進みます

実家じまいでいちばん多い失敗は、順番を間違えることです。とくに多いのが「とりあえず片付けから始めてしまう」パターン。荷物を全部処分したあとで、通帳や権利証、生命保険の証券が見つからず探し直しになったり、価値のある品物を業者にまとめて持って行かれたりします。

大きな流れは次のとおりです。それぞれの詳しい進め方は各章にまとめています。

  1. 家族で方針を決める最終的に売るのか、貸すのか、解体するのか、誰かが住むのか。ここが決まらないまま片付けだけ進めると、途中で手が止まります。
  2. 大事な書類と貴重品を先に確保する通帳・印鑑・保険証券・権利証・年金手帳・借用書。これらを回収してから、はじめて大量処分に進みます。
  3. 残す・売る・捨てるを仕分ける全部を一度に決めようとしないこと。まず「捨てないもの」だけを抜き出すと、作業が一気に軽くなります。
  4. 片付けと処分を実行する自分たちでやる範囲と、業者に任せる範囲を決めます。見積もりは必ず複数社から取ります。
  5. 名義を直す(相続登記)家の名義が亡くなった親のままだと、売ることも貸すこともできません。2024年から3年以内の申請が義務になりました。
  6. 家の出口を決めて実行する売る・貸す・解体する・持ち続ける。それぞれにかかるお金とリスクを比べて決めます。

この6つのうち、1〜4は親が元気なうちにも進められます。5と6は基本的に相続が起きてからの作業です。どこまでを先にやれるかは生前と死後でできることにまとめました。

全8章+実務ページで、必要なところだけ読めます

順番に読めば全体像がつかめますが、いま困っているところから読んでも大丈夫です。

  1. 実家じまいの全体像とやる順番

    何から手をつけるか。かかる期間と費用の目安、よくあるつまずきどころ。

  2. 生前にやれること・死後にしかできないこと

    親が元気なうちにしかできない手続きと、亡くなってからでないと動けない手続きの線引き。

  3. 片付けの実務と業者の選び方

    どこから手をつけるか、道具、進め方、見積もりの取り方と相場の幅。

  4. 残すもの・捨てるもの・売るもの

    迷ったときの判断基準と、価値があるのに捨ててしまいがちなもの。

  5. 名義変更と相続登記

    3年の義務化と過料。自分でやる方法と専門家に頼む場合の費用。

  6. 空き家として持ち続けるコストとリスク

    毎年いくら出ていくのか。税金が最大6倍になる条件と、近隣への責任。

  7. 売る・貸す・解体の判断軸

    どれが正解かは家によって違います。判断を分ける5つの条件。

  8. 遠方に住んでいる場合の進め方

    帰省の回数を減らす段取りと、現地に行かずにできること。

困っていることから探す

「いま知りたいのはここ」という実務ページです。

はじめての方へ:まずこの3つだけ確認してください

細かい話に入る前に、この3点だけは早めに手を打っておくと後が楽になります。

1. 家の名義を確認する

法務局で「登記事項証明書」を取れば、家と土地が誰の名義になっているかが分かります。1通600円で、オンライン申請なら郵送で受け取れます。ここで祖父母の名義のままだったと分かるケースが少なくありません。その場合は、相続人の数が一気に増えて手続きが重くなるため、早めに着手が必要です。

名義変更と相続登記のページへ

2. 固定資産税の通知書を探す

毎年4〜6月ごろに市区町村から届く「固定資産税・都市計画税納税通知書」には、その家と土地の評価額、そして親が持っている不動産の一覧が載っています。家族が知らなかった土地が出てくることもあります。捨てずに保管してください。

3. 期限のある手続きを頭に入れる

相続放棄は3か月、相続税の申告は10か月、相続登記は3年。どれも「亡くなってから」ではなく「相続を知った日から」が起点です。とくに借金があるかもしれない場合、3か月はあっという間に過ぎます。

相続のスケジュールを見る

このページのよくある質問

実家じまいはいつから始めるべきですか。

親が元気で、判断も会話もできるうちが最も進めやすい時期です。認知症などで判断能力が下がると、預貯金の引き出しも不動産の売却も本人ではできなくなり、成年後見制度を使う必要が出てきます。「まだ早い」と思う時期がちょうどよいタイミングです。

片付けと名義変更、どちらを先にやるべきですか。

同時に進めて構いませんが、名義変更の準備(戸籍集めなど)は時間がかかるので早めに着手し、片付けは大事な書類の確保を最優先にしてから大量処分に進むのが安全です。

全部でいくらぐらいかかりますか。

家の広さと選ぶ出口によって大きく変わります。片付けだけで数万円〜数十万円、解体すると100万円前後から、名義変更や売却の諸費用も加わります。目安は費用の全体像のページにまとめています。

兄弟の意見が合いません。どうすればよいですか。

先に「家をどうするか」を決めようとすると、感情の対立になりがちです。まずは事実(査定額・固定資産税・修繕にかかる金額)を全員が同じ紙で見るところから始めると、話が進みやすくなります。