帰省の1時間でできる、実家じまいの準備
「実家じまいをしなければ」と思いながら、何年も手つかずという方は多いはずです。まとまった時間は取れなくても、1時間あればできることがあります。
1. 写真を撮って回る(15分)
各部屋、押し入れの中、物置、庭、外観。スマートフォンで撮って回るだけです。
この写真は、後から驚くほど役に立ちます。片付け業者にオンラインで見積もりを頼めますし、兄弟との相談材料にもなります。何より、自宅に帰ってから「あの部屋はどうなっていたか」を思い出せるようになります。
家の傷んでいる箇所(屋根、外壁、雨どい、水回り)も撮っておくと、売却や修繕の判断に使えます。
2. 納税通知書と権利証の場所を確認する(15分)
固定資産税の納税通知書は、毎年4〜6月ごろに届きます。ここには親が持っているすべての不動産が載っています。家族が知らなかった山林や田畑が出てくることがあります。
権利証(登記識別情報)は、家を買ったときの書類一式と一緒に保管されていることが多いです。この場所を親から聞いておくだけで、後の探し物が減ります。
あわせて、家を買ったときの売買契約書があるかも確認してください。売却時に税金が数百万円変わることがある、極めて重要な書類です。
3. 親に3つだけ質問する(20分)
雑談の中で、次の3つを聞いてみてください。
- 「この家、最後までここで暮らしたい?」
- 「もし何かあったら、家はどうしてほしい?」
- 「捨てたら怒るもの、どれ?」
最後の質問は特に効きます。「捨てるものを決めて」と言われるのは苦痛ですが、「捨ててはいけないものを教えて」なら、自分の判断が尊重される作業になります。
聞いた内容は、その日のうちにメモに残してください。数年後、兄弟で「父さんは何て言ってたっけ」となったときの拠りどころになります。
4. 古い写真を1冊だけ一緒に見る(10分)
アルバムを1冊だけ持ってきて、「これ誰?」と聞いてみてください。
写真の整理は、遺品整理でいちばん時間がかかる作業です。しかも、亡くなってからでは誰が写っているのか永久に分からなくなります。親が元気なうちにしかできない作業であり、会話のきっかけとしても優秀です。
裏に鉛筆で名前と年を書き込むだけで、その写真の価値は何倍にもなります。
この1時間が効く理由
実家じまいが進まない最大の理由は、何から手をつければよいか分からないことです。物を捨てる作業は親の同意がいりますが、情報を集める作業は今日からできます。
写真、書類の場所、親の希望。この3つが手元にあるだけで、次に何をすべきかが見えてきます。
チェックリストを印刷して持っていくと、さらに漏れが減ります。